平成18年度 長崎県古流研究会の報告

居合道委員

12月2日(土)3日(日)の両日、平戸市立平戸小学校体育館において、平成18年度長崎県古流研究会が開催されました。長崎県内各地より夢想神伝流、無双直伝流、田宮流の居合道を修行する方々が集まりました。夢想神伝流の講師として居合道教士八段宮崎賢太郎先生と居合道教士七段川辺一郎先生、無双直伝流は居合道教士七段石橋八郎先生より指導がありました。

一日目は13:00より17:00まで二日目は9:00より12:00まで実技を中心に古流の研究会が開かれ、一日目の夜には親睦を深めるための懇親会がありました。

 参加者は二段2名、三段1名、四段1名、五段7名、六段3名、七段12名、八段1名の合計27名でした。

はじめに居合道部長の宮崎賢太郎先生から今回の長崎県古流研究会の意義と目的などのあいさつがありました。その後、十分なストレッチを全員で行った後に夢想神伝流13名と無双直伝流(尾上喜八郎先生は田宮流)14名に分かれて、それぞれに研究会をしました。

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長崎県古流研究会は平戸市立平戸小学校体育館で行われました。講習会で恒例となった集合写真を撮りました。二段から八段まで27名でした

 普段は平戸剣友会の少年剣道の子どもたちが稽古している会場での写真撮影は、みなさんニコニコといい顔でした。
古流研究会を前に居合道部長の居合道教士八段宮崎賢太郎先生古流研究会の意義と目的などのあいさつがありました。

 尾上先生をはじめ七段の先生方は整列の後ろ姿が「凜」としておられますね!!
古流研究会の横断幕は居合道教士七段 吉島孝夫先生が書かれたそうです。
さすが、元小学校の校長先生は素晴らしい技を持っていますね。

夢想神伝流は初伝の演武を全員で3回演武した後に2班に分かれ、居合道教士七段川辺一郎先生を中心に七段の先生方で「仮想の敵」を実際に相手の位置や木刀を使って、敵の斬る位置などを想定する研究を深めていました。奥居合立業までの演武の後には中伝の「浮き雲」「颪」「岩波」について、それぞれの師の教えをもとに再現し、確認をしていました。 

居合道八段宮崎賢太郎先生の指導する班では所作や刀法など夢想神伝流の基礎基本をじっくりと行い、初伝の疑問点などを意見交換することができました。なかでも初伝の「流刀」の稽古では斬りつけた後の蹲踞体勢を何度も繰り返したためなのか、翌日は全員が筋肉痛になってしまう程でした。中伝の低い体勢を「横雲」「稲妻」の業で「浮き雲」「颪」では相手との想定を指導していただきました。

七段の先生方は中伝の「浮き雲」「颪」「岩波」について、それぞれの師の教えをもとに再現し、確認中です。

宮崎勝次先生、本当に斬られてしまったのですか??
 
初伝「陰陽進退」の足はこのように!!

それにしても宮崎賢太郎先生、脚が長いですね〜 
「ドン!!」

川辺先生:「大丈夫ですか?」

加藤先生:「いつも本気で叩くんですよ」

宮崎勝次先生:「居合は常に本気!!がまんがまん」 
二日目の最後には流はごとに演武をしました。古流研究会の成果が十分に見られました。

居合道教士七段・剣道教士八段の榊先生(後方窓側)の気迫が写真から飛び出てきそうです。

無双直伝流は居合道教士七段石橋八郎先生より指導があり、大森流から奥居合立業までの演武の後に平戸厚海会、佐世保剣心会、長崎の各道場の相違点を交互に演武をしながら、古流の資料を参考にしながら研究を深めました。

 古流研究会の最後には夢想神伝流、無双直伝流の研究の成果をお互いに披露するために初伝、大森流、中伝立膝の部を交互に演武しました。

居合道教士七段石橋八郎先生より指導がありました。
平戸厚海会
佐世保剣心会
長崎の各道場が

一つになったような気がしました。
納刀の立て納めも道場によって違いがありますね。

平戸厚海会北村さんの(後部 青道着)納刀は 居合道七段 故 野崎厚海先生と本当によく似ていますね。
森さん!!後ろの敵がいつ攻撃してきても気迫十分ですね。

古流研究会感想

居合道教士七段 宮崎 勝次(夢想神伝流)

 非常に有意義な古流研究会だったと感じています。私達の居合の先生である永江又三郎先生が亡くなって10年以上経過しましたが、同門の弟子同士、お互い習った業に対する疑問点を、自分の胸の中にしまったままだったのが、今回の研究会で有る程度解消できた事が、私にとって一番大きな成果だったと思います。また、全日本剣道連盟居合に限らずに古流居合も、もっと、もっと研究修練していく必要を実感しました。

                         

居合道教士七段 川辺一郎(夢想神伝流)

平戸での寒い中の古流研究会は、各流派によって、それぞれの道場で古流を修行していますが、皆一堂に会しての研究を実施したことは過去においては1〜2度位しかありませんでした。同じ流派でも地域により、若干の違い(解釈など)が生じていました。今回、このように研究会においてその疑問点もある程度、解明されたように思います。また、他の流派の見学など研究会の目的は充分に達せられたものと感じました。

 

居合道教士七段 宮崎友彦(夢想神伝流)

古流研究会の稽古会は同じ流派にしても、少しずつ違いがありました。それぞれの師匠である先生の教えを尊重すると共に、お互いの研修になったと思います。特に議題となったところは、中伝の「浮雲」「颪」「岩波」の抜き付けと倒し方、止めの方向の確認。「滝落とし」の上から突くのか。水平につくのか。水平につくときの刃は上か、横か等の問題がでたが、それぞれの師の教えを尊重するということで、間違いではないという事になりました。

古流については、同じ師匠でも年齢と共に変わったところもあるようです。我々は自分の考えで稽古できますが、近くの先生では「あの先生はこうする、この先生はこうする、」と言ったように少しでも違えばこれから古流の稽古をする人はとまどいを感じるのではないかと心配しています。そのようなことで今回の稽古会は多いに意義があったと思います。

居合道教士七段 石橋八郎(無双直伝流)                       

平戸で行われた古流研究会は熱心な多くの参加者で行われました。研究会の内容も中身の濃い研究会だったと思いました。無双直伝英信流も長崎、佐世保、平戸と少しずつ違いがありますが、今回は参加した人は他地区の英信流を見ることが出来た事で、大変勉強になった事と思います。それぞれの業の違いについては、ほとんどが敵との想定が違っていました。研究会も深まるとともに各地区や道場において疑問点や課題を出し合って、話し合いました。古流で一番大事なことは「正確に伝承する事」ですから師から習った業を自分が手を入れて少しでも変えるという事は許されないことです。そのためには長崎、佐世保、平戸の各地区の道場において無双直伝英信流を後世に正しく伝承していかれるようにお願いしたいと思います。また、全日本剣道連盟連居合と各流派の古流が車の両輪のようになっていくように稽古をされる事を望みます。

 

居合道四段 浜本勝馬(無双直伝流)

 

古流研究会は私にとって、大変有意義な体験となりました。無双直伝英信流でも長崎、佐世保、平戸と各地区や道場、師匠の違いによって、想定された理合いまで違うことに驚きました。それと同時に古流研究会を前に私自身がもっと予習をして行けば質問などもたくさん出来たのではないかとつくづく反省をしました。また、夢想神伝流など違った流派の演武も見学することができて有意義な講習会になりました。

居合道三段 三根博幸(夢想神伝流)

今回はじめて古流研究会に参加させて頂きました。

居合道を始めて約五年、これまで全剣連制定居合と古流初伝を

稽古させていただいておりました。

今回始めて古流研究会で「中伝」も数本指導していただきました。

限られた時間ではありましたが技の凄さもさる事ながら、敵との相互関係を詳しく説明頂き、これまでに無い超接近戦の実戦から生まれた古流に、魅力と難しさを感じました。

これから「中伝」を学ぶ事によって、また新たな私なりの居合道が始まる気が致します。ご指導賜りました先生方へ感謝申し上げます。

 

 懇親会

活魚はさすが平戸!!

鯛はめでたい!!

肥前松浦藩は三つ丸
豪華な料理でした
風呂上がりは気持ちいいですね!!
平戸の地酒は「豊年」です!!
榊先生  乾杯!!
松川先生 万歳!!

長崎県古流研究会