平成29年度 長崎県剣道連盟居合道部「古流研究会」報告

居合道委員

11月26日(日)、佐世保市総合グラウンド体育館において、平成29年度長崎県剣道連盟居合道部古流研究会が開催されました。長崎県内各地より夢想神伝流、無双直伝流、神道無念流の居合道を修行する方々が集まりました。夢想神伝流の講師として居合道教士七段宮崎勝次先生と居合道教士七段川辺一郎先生、居合道教士七段月見一博先生、無双直伝流は居合道錬士七段廣瀬正佑先生、居合道錬士六段濱本勝馬先生より指導がありました。

午前の部は10:00より10:30まで居合道部長の居合道教士七段高木志伸より「居合道における古流研究の意義」について「檀崎友彰先生及び正岡壹實先生」の資料をもとに説明がありました。その後10:30〜12:00まで実技を中心に古流の研究会が開かれました。午後からはより深く、古流についての研究会が実施されました。

 参加者は二段3名、三段2名、四段3名、五段7名、六段5名、七段9名、の合計28名でした。

古流の業<−−クリックしてください

長崎県古流研究会は佐世保市総合グラウンド体育館で行われました。講習会で恒例となった集合写真を撮りました。二段から七段まで28名でした

 普段は佐世保市の球技などで多くの子ども達が練習をしている会場での写真撮影は、みなさんニコニコといい顔でした。
   
古流研究会を前に居合道部長の居合道教士七段高木志伸先生から古流研究会の意義と目的などのあいさつがありました。

夢想神伝流は初伝の演武を受講者が変わりながら演武した後に居合道教士七段川辺一郎先生を中心に七段の先生方で「仮想の敵」を実際に相手の位置や木刀を使って、敵の斬る位置などを想定する研究を深めていました。奥居合立業までの演武の後には中伝の「浮き雲」「颪」「岩波」について、それぞれの師の教えをもとに再現し、確認をしていました。 

また、所作や刀法など夢想神伝流の基礎基本をじっくりと行い、初伝の疑問点などを意見交換することができました。なかでも中伝の「逆刀」の稽古では斬りつけた後の体勢を何度も繰り返したためなのか、翌日は全員が筋肉痛になってしまう程でした。中伝の低い体勢を「横雲」「稲妻」の業で「浮き雲」「颪」では相手との想定を指導していただきました。

無双直伝流は居合道錬士七段廣瀬正佑先生、居合道錬士六段濱本勝馬先生より指導があり、大森流から奥居合立業までの演武の後に静心会、剣倫会、平戸厚海会、佐世保剣心会、長崎の各道場の相違点を交互に演武をしながら、古流の資料を参考にしながら研究を深めました。

 古流研究会の最後には神道無念流、夢想神伝流、無双直伝流の研究の成果をお互いに披露するために初伝、大森流、中伝立膝の部を交互に演武しました。

古流研究会感想

居合道教士七段 宮崎 勝次(神道無念流・夢想神伝流・知高流)

 非常に有意義な古流研究会だったと感じています。私達の居合の先生である永江又三郎先生が亡くなって20年以上経過しましたが、同門の弟子同士、お互い習った業に対する疑問点を、自分の胸の中にしまったままだったのが、今回の研究会で有る程度解消できた事が、私にとって一番大きな成果だったと思います。また、全日本剣道連盟居合に限らずに古流居合も、もっと、もっと研究修練していく必要を実感しました。

                     

 居合道教士七段 川辺一郎(夢想神伝流・知高流)

佐世保での寒い中の古流研究会は、各流派によって、それぞれの道場で古流を修行していますが、皆一堂に会しての研究を実施したことは過去においては平成18年以来で1〜2度位しかありませんでした。同じ流派でも地域により、若干の違い(解釈など)が生じていました。今回、このように研究会においてその疑問点もある程度、解明されたように思います。また、他の流派の見学など研究会の目的は充分に達せられたものと感じました。


居合道錬士七段 廣瀬正佑先生(無双直伝流)                       

佐世保で行われた古流研究会は熱心な多くの参加者で行われました。研究会の内容も中身の濃い研究会だったと思いました。無双直伝英信流も長崎、佐世保、平戸と少しずつ違いがありますが、今回は参加した人は他地区の英信流を見ることが出来た事で、大変勉強になった事と思います。それぞれの業の違いについては、ほとんどが敵との想定が違っていました。研究会も深まるとともに各地区や道場において疑問点や課題を出し合って、話し合いました。古流で一番大事なことは「正確に伝承する事」ですから師から習った業を自分が手を入れて少しでも変えるという事は許されないことです。そのためには長崎、佐世保、平戸の各地区の道場において無双直伝英信流を後世に正しく伝承していかれるようにお願いしたいと思います。また、全日本剣道連盟連居合と各流派の古流が車の両輪のようになっていくように稽古をされる事を望みます。

 居合道錬士六段 浜本勝馬(無双直伝流) 

古流研究会は私にとって、大変有意義な体験となりました。無双直伝英信流でも長崎、佐世保、平戸と各地区や道場、師匠の違いによって、想定された理合いまで違うことに驚きました。それと同時に古流研究会を前に私自身がもっと予習をして行けば質問などもたくさん出来たのではないかとつくづく反省をしました。また、夢想神伝流など違った流派の演武も見学することができて有意義な講習会になりました。
 

居合道三段 中野武士(夢想神伝流)

今回、はじめて古流研究会に参加させて頂きました。居合道を始めて約五年、これまで全剣連制定居合と古流初伝を中心に稽古させていただいておりました。今回、古流研究会で「中伝」も数本指導していただきました。限られた時間ではありましたが技の凄さもさる事ながら、敵との相互関係を詳しく説明頂き、これまでに無い超接近戦の実戦から生まれた古流に、魅力と難しさを感じました。これから「中伝」を学ぶ事によって、また新たな私なりの居合道が始まる気が致します。ご指導賜りました先生方へ感謝申し上げます。

 
宮崎 勝次 先生 神道無念流
   
夢想神伝流  夢想神伝流・知高流 
 
無双直伝流 
 
無双直伝流 無双直伝流 
 
夢想神伝流 夢想神伝流 
 
無双直伝流  無双直伝流  
 
無双直伝流  夢想神伝流  
 
夢想神伝流  夢想神伝流・知高流  
 
夢想神伝流・知高流 無双直伝流 
 
 
夢想神伝流・知高流  
 
 
 
 
長崎県古流研究会