夢想神伝流「流刀」
   令和6年度 居合道秋季講習会の報告       居合道部長 高木 志伸

令和6年12月8日(日)長崎県立武道館において、標記講習会が開催されました。
 本講習会には午前中、居合道秋季講習会が開催され、11歳から89歳まで31名の居合道剣士が県内から参加しました。
 講義内容は教士剣道七段宇治原辰彦講師より、螺旋運動による関節の動きについて、実技指導法について指導がありました。
 今回の講習では居合道剣士が身体の使い方を改めて見直し、居合道だけでなく、日頃の生活のなかでの身体の運用がいかに大切なのかを教えていただきました。受講者の皆さん異口同音、講習会に参加した喜びを口にしておりました。
 講習会後半は高木志伸居合道部長より、中央講習会の概要が説明され、全剣連居合の1本目(前)から12本目(抜き打ち)まで、全日本剣道連盟居合の解説書及び「指導上の留意点」をもとに詳細な説明を行いました。参加者全員で確認稽古を実施しました。

今までにない外部講師を招聘しての講習会となり、多くの内容を伝えることができませんでしたが、講習会を機会に受講者各自が本講習会資料をもう一度自宅にて熟読され、自己研鑽をしていただくことを願います。

 
 
 令和6年度居合道秋季講習会 宇治原辰彦先生を受講者全員が囲んでの集合写真
 【講習会プログラム】
1)講習会・演武大会 10時00分?13時00分
10:00- 開講式
10:05‐集合写真撮影
10:10‐11:00 講話及び実技指導@ 剣道教士七段 宇治原辰彦先生
11:00‐11:10 休憩
11:10‐12:00 講話及び実技指導A 剣道教士七段 宇治原辰彦先生
12:00‐12:10 休憩
12:10‐12:50 「全日本剣道連盟居合(解説)指導」 高木志伸居合道部長
12:50‐13:40 閉校式・昼休憩
13:45‐16:00 第6回長崎県居合道演武大会
13:45‐開会式
13:50‐競技説明 高木志伸審判長
  【受講者感想】 居合道秋季講習会を受講して 
事務局長 川見秀人(大村)
 宇治原講師の「螺旋運動による関節がびっくりするほど柔らかくなる」「手首の支点を使った素振り」については、長崎県剣道連盟の中学校授業協力者講習会にて受講経験があり、居合道を志す人々へは、必ず役に立つことだと思っていました。高木部長から、居合道講習会に講師としてお願いしていただいてはどうかとの打診をされ、即決しました。
 改めて、受講すると「螺旋運動による関節がびっくりするほど柔らかくなる」については、指先から手首、肘、肩、肩甲骨、胸鎖関節という、其々の関節に螺旋運動を施すことにより柔らかくすることで、体全体の動きが楽になり、大きく「しなり」のある振りが可能となることを再確認できました。
 この運動は、足の指、足首、膝、股関節、腰にも効果があり、日常の生活にも生かされるということで、肩が痛く腕が上がらない、腰が痛いという大先輩方には、特に好評でした。
 また、発声にも効果があるということで、中学校の剣道指導者としても、とても有意義なものでした。
「手首の支点を使った素振り」については、支点の1点のみを意識することで、腕全体を振り上げ、振り下ろしができること。私が、実践している振り上げは、上筋だけを使って振り上げ、一瞬力を「0(ゼロ)」にして、下筋だけを使って振り下ろす。ことで、半分の力で済むことからスピードも速くなり、疲れない。打突時点で100%の力を打突部位に集中する。ことに合致して、間違っていないことを再確認できました。
 また、柄の握りに関しては、親指と人差し指には力を入れない。締めは、小指と薬指でしっかり中指はややしっかり使うとの説明でしたが、居合道における「決め指(小指・薬指)」「力指(中指)」「攻め指(人指し指)」「支え指または、まとめ指(親指)」の教えに合致していて、その理屈が、手の内の柔らかさに通じることを改めて確認できました。
 その他、筋肉の使い方等や工夫次第で、体の動きを楽にすること等、教えていただきありがとうございました。  
 
作永憲昭(佐世保)

 令和6年12月8日、佐世保市の県立武道館において剣道の宇治原先生に来ていただき居合道に役に立つケガしない体の使い方について講話をしていただきました。可動域を増やすためのストレッチに始まり、無理な筋肉運動だけで体を運用することの危険性、衝撃を吸収するポイントを意識することの重要性を話され誰もが平等にやってくる加齢による体力低下、使わない関節筋肉の低下の中でいかに故障を回避するかのお話でとても興味深いものでした。刀の運用に関しては手首だけでなく肘、肩、肩甲骨を使うことによって運用域が増え技が大きく力強くなると教えていただきました。
 
 今回習ったことは普段の稽古で言われている事と重なる部分が多いのですがそこに行くまでのアプローチの方法が今回の講習会によって一つ増えたと感じました。普段の稽古で言われていることがこういう事だったのかと理解するための手段としてとても実践的で有意義な講習会でした。今回は寒い中本当にありがとうございました

 
 兵働佳英(佐世保)

私は学生時代に運動部の経験がなく、50歳を過ぎてから始めた剣道と居合道ですので、ずっとあちこち痛めるのが当たり前、稽古しては痛め、治らないうちに稽古して痛め、整体院に行き治ったようでいて又痛め、というのに半ば慣れきっていました。

 しかしながら今年の夏ぐらいからもうどうにも動かせないところまで来てしまい、そこへ今回の宇治原先生のお話を聴くことができて助かった!という心境です。

 私は右手打ちがひどく、右手打ちがなぜだめなのか、そして手だけで打つな腰で打てと言われるのはなぜのなのか、単に速さや強い打突のためだと思っていましたので、肩甲骨と股関節をうまく使うこと、それが怪我をしない体にもつながっているとは思ってもいませんでした。

 最後に木刀ですりあげ技の練習を通して肩甲骨の使い方の実習をしたわけですが、それまで返し技、すりあげ技は手首でするものだと思い込んでいて(どうしてそう考えたのかはわからないのですが)、もちろん今まで上手くできなかった訳ですが、それがちょっと意識を変えるだけで変化したことに驚きました。

 体の動かし方、ケアに関する動画はたくさんあるのですが、居合道や剣道に合わせたものを見つけることができなったので、今回ご指導していただいた宇治原先生、そして機会を作っていただきました高木先生、本当にありがとうございました。

 
 山領伊都子(佐世保) 宇治原先生の講習会に参加して

最初に、「一秒で相手を明るく、心がゆたかになる挨拶」に、心をうたれました。
この日、私は剣道の体当たり稽古で膝を負傷しており、痛み止めを飲んでの参加でした。

宇治原先生ご夫婦の山登りの体験談を交え、時折笑いがおこり、関節などの螺旋の動きを意識しての実習は、「まさに私たちのための講習会」と思った方々がいっぱいでした。

写真入りの資料を見ながらの講話や螺旋運動の体験を通し、これを武道や日常に活かしていくことができたなら、これ以上身体を痛めずにすみそうと、希望を持つことができました。中でも、手にかかる力を肩甲骨で、足にかかる力を股関節で扱うことや、胸鎖関節からが腕だと意識すると、腕が伸ばせるなど、理にかなっていて素晴らしく、感動することばかりでした。

今回参加できたことに、深く感謝いたします。ぜひ、たくさんの方々にこの講習会を受けていただきたいと思います。宇治原先生、お寒い中本当にありがとうございました。

 居合道顧問 川邊一郎(大村)

寒い中大変にお疲れ様でした

外部講師による講習会は誠に実のある講習会でした。
私自身如何に身体を壊す使い方をしていたかが良くわかりました
資料を熟読しながら今後に活かしたいと考えています。
 【写真集】
 
 
宇治原辰彦先生による実技指導@指関節  宇治原辰彦先生による実技指導A座りT
 
宇治原辰彦先生による実技指導B座りU  宇治原辰彦先生による実技指導C座りV
 
宇治原辰彦先生による実技指導D座りW  宇治原辰彦先生による実技指導E座りX
 
 
※宇治原辰彦講師紹介をする高木志伸部長  ※防寒対策をとっての受講  
 
※螺旋運動による関節がびっくりするほど柔らかくなる 
 
 ※体を運用することの危険性、衝撃を吸収するポイントを意識することの重要性
 
指先→手首→肘→肩→肩甲骨→胸鎖関節→其々の関節に螺旋運動を施すことにより柔らかく 
 
指先→手首→肘→肩→肩甲骨→胸鎖関節→其々の関節に螺旋運動を施すことにより柔らかく
 
 ※ 刀の運用に関しては手首だけでなく肘、肩、肩甲骨を使うことによって
 
実技指導 木刀による刀の運用@  実技指導 木刀による刀の運用A
 
実技指導 木刀による刀の運用B  実技指導 木刀による刀の運用C
 
実技指導 木刀による刀の運用D  実技指導 木刀による刀の運用E
 
実技指導 木刀による刀の運用F  実技指導 木刀による刀の運用G
 
実技指導 木刀による刀の運用H 講習会U 「全日本剣道連盟居合」@  
 
講習会U 「全日本剣道連盟居合」A  講習会U  「全日本剣道連盟居合」B 
 (編集・取材:県剣道連盟広報委員 /s-takaki)