★居合道をはじめて
(財)長崎県剣道連盟居合道部
長崎県立島原商業高等学校 剣道部
森永 有紀
私が初めて居合道に出会ったのは、高校の剣道部に入部したときです。剣道部の先生や先輩方が居合道の演武をする姿がとても凛々しかったのを印象深く憶えています。
居合道は、身体の機能を高めることはもちろん精神面を鍛える面も大きいと思います。なぜなら、居合道の一本一本には細かな手順があり、その全てを意識しながら演武するのはとても難しく、また、形どおりにするだけでなく、充実した気勢を心がけることも大切だからです。抜きつける時、切り付ける時、血振るいを行う時、全てにおいて剣先に気を集中させ、技と技の間では気を緩める事なく行うなど、一つ一つの動作を意識し、常に全身全霊で打ち込み、真剣勝負の心で、演武を行う事が大切であることを学びました。また、古流では全日本剣道連盟居合(制定)とは、また違う奥深い精神的な面もあり、その技を精進し、学ぶ事でさらに精神面も精進したいと思っています。
居合道の演武は、充実した気勢、正確な刀法、適法な姿勢、いわゆる「気・剣・体の一致」の精神、「礼に始まり、礼に終わる」という精神。これらの全ては剣道に通じていると思います。居合道における演武を行う前と剣道での稽古や試合を行う前の姿勢や精神はとてもよく似ていると思います。それ以上に居合道で学んだ精神を剣道に活かし、充実した気持ちで剣道にのぞむ事ができるようになりました。さらに居合道の稽古を積むごとにさらに充実した気持ちで打ち込むことができるようになりました。他にも日頃の生活の面でも居合道の精神により向上してきました。例えば、目上の人や先生方などに対する態度や言葉遣い、日常生活でのあいさつやお礼の言葉などの基本的な礼儀や作法などです。
居合道を始めたばかりの頃は、ただ淡々と形だけを覚え、気持ちがあまり入っていませんでした。しかし、稽古をするごとに気を入れるのと入れないのでは全然違う事を学び、徐々にではありますが、気を入れることを意識し、精神を鍛えることができたと思います。まだまだ未熟な部分が多いのでこれからも日々精進していきたいと思います。