41回全日本居合道大会報告(北海道大会)

     長崎県剣道連盟居合道委員

41回全日本居合道大会都道府県対抗優勝試合が平成181020日(土)北海道立総合体育センター(「きたえーる」)にて行われました。五段,六段,七段の都道府県代表選手がトーナメント方式で対戦し,各段の個人のポイント合計が団体の総合成績となります。決勝戦の前には五段から七段までの公開演武が全国から集まった192名の公開演武が行われました。決勝戦終了後、教士八段,範士八段87名,河村好雄 範士九段の先生による模範演武が披露されました。

本県からは監督として教士八段宮崎賢太郎,選手として宮崎友彦(七段の部),高木志伸(六段の部),平 禮道(五段の部)の3名が参加しました。全日本居合道大会団体戦の結果は千葉県が2年連続2回目の優勝,2位北海道,3位が神奈川県でした。個人は五段,七段が千葉県選手、六段は茨城県選手が優勝しました。

大会成績<−−クリックしてください

    
北海道立総合体育センター玄関ロビーにて

監督 教士八段宮崎賢太郎先生
   宮崎友彦選手(七段の部)
   高木志伸選手(六段の部)
   平 禮道選手(五段の部)
会場には「第41回全日本居合道大会」の看板が
掲げられました。

 本県選手の個人成績は七段の部 宮崎友彦選手が2回戦で東京都の吉村謙一選手に対して3-0で敗退しました。内容的には宮崎選手は落ち着いた太刀さばきで長身からの切り付けが冴えてとても良かったが、勝負は時の運というべきか。六段の部高木志伸選手は2回戦で優勝した茨城県の関展秀選手と対戦しました。刀礼などの所作や各技における残心などは良かったのですが、力及ばず1-2で惜敗しました。五段の部平 禮道選手は2回戦から登場しましたが,開催県北海道代表の古野 耕一選手に1-2で敗退しました。雲仙合宿などの強化練習で身に付いた正確な切り付けや落ち着いた納刀が稽古の成果として残ったことを感じました。各段ともに強化練習でやってきたことを確実に試合で披露しましたが、全国大会で勝つことの難しさを考えさせられた大会でした。

平 禮道選手(五段の部)
10本目 四方切りで切り付けた後の残心を十分にとっているところです。

1回戦から4回戦までの指定技

二本目 後
六本目 諸手突き
十本目 四方切り
審判席の下には赤いカーペットが敷かれ、大会の雰囲気を盛り上げていました。
教士八段宮崎賢太郎先生の公開演武
教士七段 森 敏男先生(長崎県佐世保)の公開演武

全日本居合道大会に向けての稽古

 今年の528日(日)に行われた長崎県居合道選手権大会で優勝ないし準優勝した五段から七段の選手と平成21年開催される全日本居合道大会の候補者が107日までの4ヶ月間,雲仙で開催された強化合宿を含めた強化練習会に参加して本大会に臨みました。

強化練習会には八段の先生方や七段の先生方が参加され,多くの貴重な指導をいただきました。2時間という短い時間ですが,強化練習で得るものは計り知れないものがあります。今年は代表選手だけによる稽古も宮崎賢太郎先生に何度となく指導をしていただきました。

強化練習は代表選手が島原や佐世保から長崎や大村まで出かけてくるという稽古のため,各自が稽古に対する心構えをしっかりとしなければなりません。また,4ヶ月という長期の稽古会になるため,選手たちは長崎県代表選手という自覚を持って全日本居合道大会まで,調整をしていくことが大切です。強化練習の中で指摘されたことを自分の道場に持ち帰って稽古をし、次の稽古会まで自分のものにするということを心がけます。

居合道道歌に「居合とは己が心に克つばかり 人の非を見て人にさからうな」とあります。教えてもらう代表選手と指導していただいた先生方との気持ちの一体化の成果が全日本居合道大会という最高の舞台で発揮できます。

試合の結果がどうあれ,全日本居合道大会に向けて取り組んできた稽古は決して無駄にはならないと思います。目の前の仮想敵を倒すことのみを強く思い,全日本居合道大会で一生懸命試合をすることで,全日本居合道大会でしか味わうことのできない緊張感と充実感を感じることができます。そのことを忘れずに道場での稽古に精進したいものです。それと同時に御指導頂いた先生方への感謝を忘れてはならないと思います。

〈主な参考文献〉

剣道日本 スキージャーナル社   

林崎明神と林崎甚助重信 林崎甚助源重信公資料研究委員会


私の居合        永江 又三郎書

趣味の透し鍔・小刀作り 成木一彦・中田兼秀・伊佐地勉可  光芸出版

全日本居合道大会