第一回 長崎奉行所初稽古「剣道演武大会」の報告
居合道委員
平成19年1月3日(水)長崎市立山の長崎歴史文化博物館 屋外イベント広場において、(財)長崎県剣道連盟、長崎市剣道協会共催の第一回長崎奉行所初稽古「剣道演武大会」が開催されました。午前10:00より午後2:00まで模範演武、高段者に対する少年掛稽古、日本剣道形、心形刀流、居合道、杖道演武が開かれました。
真剣を使った演武に会場に来た見物客も息をころして見ていました。 | |
特設ステージは滑りやすく、踏ん張りがきかずに、「気剣体不一致」になってしまいました。 | |
居合道の所作の美しさは会場全体の心をつかんだようでした。 |
はじめに(財)長崎県剣道連盟理事長馬場勇司先生より開会宣言がされた後に長崎歴史文化博物館の大堀 哲館長より、「日本古来の伝統文化」と剣道を通しての人間形成の大切さなどについて挨拶をいただきました。続いて、(財)長崎県剣道連盟会長の三原 茂先生からは「剣道の理念」についての話があり、剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である。また、生涯スポーツとしての武道、剣道の素晴らしさなどについて挨拶をいただきました。
「日本剣道形」を打太刀、 剣道教士八段佐藤信秀先生(右) 剣道教士八段片山倉則先生(左) です。 |
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心配された雨もあがり、今年最初の良い天気に恵まれ、絶好の初稽古日和になりました。 | |
気位の高さに感銘を受けました。 | |
気迫と気品は稽古のたまものです。 |
第一部の剣道基本演武が始まるまでの時間を使って、銀屋町鯱太鼓の演奏がありました。日本の伝統文化でもある和太鼓の演奏はこれから始まる初稽古にふさわしい勇壮なものでした。
第一部の剣道基本演武では剣道教士七段の5名の高段者の先生方と六段の女流剣士が1名、元立として小中学生69名に素振りや打ち込み、少年掛稽古をしました。小、中学生は長崎市内を中心に各道場より2名程度、初稽古のために開館1時間30分前から長崎歴史文化博物館前に集まっていました。初稽古に対する少年剣士の意気込みを感じました。少年剣士達は狭い特設ステージにも関わらず、長崎奉行所初稽古啓発ポスターにある「諏訪の森に、子どもたちの声が交差する」のキャッチフレーズのように元気いっぱいの声で稽古にのぞんでいました。
なぜ、紅白幕は会場の雰囲気を盛り上げるのでしょうか? 西陵高校原口さんはインターハイ個人優勝、橘中学校男子は全国中学ベスト8の強豪です。 |
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銀屋町鯱太鼓の演奏 ここでも日本の伝統文化、和太鼓の演奏を継承しています。 |
第二部の各種の形演武では最初に「日本剣道形」を打太刀、剣道教士八段佐藤信秀先生と仕太刀、剣道教士八段片山倉則先生が太刀7本、小太刀3本の模範演武を披露しました。相手との間や気迫、また、やわらかく、しかも冴えがある手の内、気位の高さなど全てにおいて目を見張るものがありました。会場の中にピーンとした緊張感が漂ったのがわかるほどの素晴らしさでした。
「心形流木太刀の形」では五島西雄館、中学生4名による初めての公開演武がありました。350年前から肥前松浦藩(現平戸市)に伝わる古流の形を長崎県の古流として五島の中学生が伝え引き継いでいることに感動をしました。「心形流木太刀の形」を見た瞬間、「綺麗、美しい、無駄がない」という印象をうけました。私たち長崎県にもこのような素晴らしい古流の形があることに誇りを持ちたいと思うほどでした。
「居合道」演武には居合道教士七段、石橋八郎先生の監督のもと、第41回全日本居合道大会都道府県対抗優勝試合(北海道大会)に長崎県代表で出場した宮崎友彦(七段の部)、高木志伸(六段の部)、平 禮道(五段の部)の3名が演武をしました。会場は刀礼などの所作が始まると同時に会場中が静まり、静寂の中に刀の風を斬る音だけが響き渡りました。古流2本(初発刀、逆刀)全日本剣道連盟居合3本(諸手突き、三方切り、四方切り)を仮想の敵を意識しながら、正しい姿勢を崩さず、刀の抜き付け、切り付け、血振いなど日頃の稽古で身につけてきたものを出した気品のある演武になりました。
石橋八郎(監督) 宮崎友彦(七段) 高木志伸(六段) 平 禮道(五段) |
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杖道六段 橋本 幸一 杖道五段 西島 豊博 気迫溢れる演武でした。 |
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風格がある家庭婦人の部、上田さん素晴らしいですね。 |
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三原 茂会長、いつまでもお若いですね!! |
「杖道」演武では杖道六段 橋本幸一、杖道五段 西島 豊博の両名が日頃、稽古してきたことを披露していました。会場内に気迫がこもったかけ声が響き、一瞬の隙を許さない体裁きとスピードのある打ち込みには剣道や居合道にも共通するもの感じました。今日、杖道の演武を見た少年剣士の中から日本伝統を受け継ぐことのできる剣士が一人でも出てきてほしいと感じました。
第三部模範演武では全国レベルにある小学生、中学生の部3組、高校生の部2組、一般女子の部1組、家庭婦人の部1組、高段者の部1組が模範試合(演武)をしました。最後には総合演武として三原 茂会長をはじめ4名の教士七段が元立で少年剣士と掛稽古、地稽古をしました。
今年がはじめての長崎奉行所初稽古「剣道演武大会」でしたが、閉会式までの時間が短く感じるほどのとても良い初稽古会になりました。