平成19年度 全剣連居合道中央講習会に伴う伝達講習会の報告
居合道委員
平成19年9月23日(日)長崎市立川平小学校体育館において、恒例の平成19年度全剣連居合道中央講習会に伴う伝達講習会が開催されました。平成19年9月15日、16日に京都市武道センターにおいて開催された全剣連主催中央講習会に派遣された宮崎賢太郎教士八段と高木志伸錬士六段から午前10:00より12:10まで講義、実技の解説があり、午後は13:10から16:00まで居合道審判講習がありました。
はじめに宮崎賢太郎講師より今回の中央講習会の概要が説明され、その後、高木志伸講師が中央講習会報告レポートをもとに、全受講者に対して全剣連居合の1本目(前)から12本目(抜き打ち)まで、宮崎友彦教士七の演武と共に、詳細な説明を行いました。
参加者は段外4名、初段3名、二段6名、三段6名、四段4名、五段6名、六段10名、七段10名、八段1名の合計50名でした。
午後からの居合道審判講習会では、段外から五段までの29名が2人ずつ対戦する模擬試合を行いながら審判講習会が行われました。審判には六段10名、七段10名が6班に分かれて、真剣に審判実技講習を受講しました。
平成19年10月14日(日)に長崎市立川平小学校において開催される秋の昇段審査会を前に、受審予定者は例年に比べいっそう高い意識を持って講習会に臨んでいました。
平成19年度全剣連居合道中央講習会の講習内容の概要は次のとおりです。
2007/9/15−16 於 京都武道センター
中央講習会受講者 教士八段 宮崎 賢太郎、錬士六段 高木 志伸
講師 岸本千尋(居合道委員会委員長)
武田清房、山崎正博、河口俊彦、安永毅、山崎誉、小倉昇
実技
全日本剣道連盟居合(解説)
解説 範士八段 武田清房 解説演武 範士八段 河口俊彦
一本目 [前]
◎鞘離れを確実に行う。
◎切っ先を左耳にそって後ろを突く気持で受け流しに振りかぶる。
◎振りかぶる時には後ろの敵を突くようにする。
◎血振りではたなごころを上にかえす。
◎切り付けの時に「やや下がる」とは 刀身の幅一つ
◎納刀は鍔元附近から正しく行う
二本目 [後]
◎鞘離れを確実に行う。
◎血振りではたなごころを上にかえす。
◎膝をよせないで回る。
◎「背後の敵」は真後ろだけではない。
◎刀を抜きながら向き直る同時に、左足をやや左寄りに踏み込む
◎充分に鞘引きをする
◎敵のこめかみに正しく抜き付ける
三本目 [受け流し]
◎中段になりながら後ろ足を前足に送り込んで確実に水月を突き刺す。
三本目 [受け流し]
◎受け流しの体勢にて、上体をかばった体勢になる。
◎鍔もと近くで確実に受け流す。
◎右足を左足の内側に踏み込んだとき・・・「イ」の字になったときに受け流す。
◎左足を右足後方に引き、袈裟切りになる。
四本目 [柄当て]
前の膝が倒れない
◎片膝ついた蹲踞の姿勢
◎柄頭を敵の水月に確実に当てる。
◎後ろの敵に対して、左手は鯉口を握ったまま、絞り込むようにへそ前におくり、右肘を伸ばして突く。
◎直ちに左手で鞘だけ後方に引き抜きながら、後ろの敵に振り向く。
五本目 [袈裟切り]
◎逆袈裟に切り上げたとき、刀をかえした右こぶしは右肩の上方になる。
◎右肩の上方で左手が柄を握った時の目線は左手の上から見る。
◎八相の構えを確実にとる。
◎左足を引きながら左手が鯉口を握ると同時に刀を袈裟に血振りをする。
六本目 [諸手突き]
◎敵の右斜め面を抜き打ちしたとき、あごまで切り下ろす。
◎抜き打ちの時の左足は正面を向く
◎中段になりながら後ろ足を前足に送り込んで確実に水月を突き刺す。
◎刀を引き抜きながら受け流しに振りかぶる。
◎最後の切りつけは左足を左に踏みかえる
七本目 [三方切り]
◎右の敵に抜き打ちしたとき、鋭角に頭上からあごまで切り下ろす。
◎正面の敵を圧しながら
◎左の敵に向き直り、間をおくことなく真っ向から切り下ろす。
◎二刀目を受流しに振りかぶりのときの左手がバンザイしないように
◎受け流しに振りかぶり、切り下ろした刀は水平にする。
八本目 [顔面当て]
◎柄頭が両眼の間を正しく突く
◎かぎ足で突かない。足先で回る。
◎後ろを突く時は刀を上腰に水平に構える
◎手の内を絞って水月を突く
九本目 [添え手突き]
◎右袈裟に抜き打ちしたとき、右こぶしはへその高さ
◎切っ先は右こぶしよりわずかに上がる。
◎左手が刀身の中程を親指と人さし指の間で確実にはさむ。
◎右こぶしは右上腰に当てる。
◎右こぶしは右乳より高くならない。
◎さがるときには気迫をもってさがる。
◎残心のとき、右肘が曲がらない。
◎柄当てのとき、強く確実に柄の平で打つ
◎鞘引きしたとき、物打付近の棟を左乳に当て水月を確実に突き刺す。
◎左回り回って敵に対して、「一重身」(ひとえみ)となる。
◎脇構えを取ってからではなく、脇構えになりながら振りかぶる。
◎脇構えは自然の流れで行う。
十一本目 [総切り]
◎頭上に振りかぶると同時に左手を柄にかけ間をおくことなく右足を前に踏み込む。
◎刀を抜き上げたとき、受け流しに振りかぶる。
◎第一刀までは一拍子になる。
◎すべての切りは頭上から切り付ける。
◎切るとき、おくり足になる。
◎一刀、一刀をきめる。
◎正面の敵の左斜め面からあごまで切り下ろす。
◎正面の敵の右肩口から「水月」まで切り下ろす。
◎正面の敵の左脇下から「へそまで切り下ろす」刀は水平にする。
◎左上腰に刀を水平にする。
◎右腰腹部から左腰腹部を水平に切る。
◎水平に切った刀を止めることなく頭上に振りかぶり、右足を前に踏み込んで正面の敵を真っ向から切り下ろす。
十二本目 [抜き打ち]
◎右足を左足近くに引きよせながら刀をすばやく頭上に抜き上げると同時に左手を柄にかけ、間をおくことなく右足を踏み込むと同時に真っ向から切り下ろす。
◎刀を抜き上げたとき、左足を十分に後方に引く
◎刀を抜き上げたときの右手の位置は正中線になる。
◎右足を左足の後方に引きながら左手を左帯におくると同時に「右に開いての血振り」をする。
作法 [礼法]
◎刀を正面に向けて右肘を伸ばしながら、左手は鞘をしごくようにして「鐺(こじり)」近くにおくってから軽く握る。
◎下げ緒をしごくのではなく、鞘をしごくようにする。
◎鍔がへそ前になる。
◎帯刀するときには左手で鐺は引っぱりださない。
◎正座の姿勢で目は約4〜5m先の床上に向け、半眼に開いて「遠山の目付」となり、気は四方にくばる。
◎風格をもって、流れるような自然な所作になるようにこころがける
審判講習
全日本剣道連盟居合 居合道試合・審判規則 居合道試合・審判細則
解説 山崎正博
1)開始線の問題
開始線の前に立つ。
開始線を踏まないほうが良い(減点にはならない。)on the line
30cm程度が目安。
座ったとき膝が出ても減点にはならない。
逆にあまりにも開始線から下がりすぎているような場合は減点となりうる。
試合開始と判定時に開始線の前に立っていればよく、演武中はどこでもよい。
11本目などは開始線より3,4歩下がることは全く問題ない。
2)試合開始時の右手の問題
帯刀で入場したときも、携刀で入場しても開始前に左手を下ろす必要はない。
3)前試合者と次試合者の交代について
試合者は審判が交代する間は試合場に入ってはならず、交代が終わるまで待機線で待つ。
前試合者の判定が終わり3歩下がり、廻れ右する時を見はからって次試合者は入場を始め、試合場の枠の外あたりですれ違う。その時互いの右腕側がすれ違うようにする。
4)その他
・線上に足がかかっている状態は場外反則ではない。片足が完全に出ると場外。
・場外は合議対象となる。(P4 審判員要領 P6 規則 第14条2 禁止行為)
・合議を行うときはどちらが反則だからどちらの勝ちと確認しあう。
・審判3人はそろって入場し、正面に礼をし、副審2人が主審を囲むように互いの礼をする
・また3人そろって前審判と交代の礼をし、3人そろって座る。
・第1試合と最終試合は審判は3人とも立つ。2試合場以上の会場では審判長の笛の合図の後、各試合場の主審が始めの号令をかける。
・主審が判定を行った後からはいかなることがあれ判定は覆せない。
・選手は試合が終わっても試合場では正面に一礼はしない。